名前が思い出せないのはエストロゲン不足のせいかも!?
加齢とともに忘れ物が多くなったり、物忘れが多くなります。DHAが足りないからだという某健康食品の主張もありますが、 女性の場合はエストロゲン不足が影響しているかもしれません。
また、認知症の発症率は女性のほうが高いんですが、それも不足した女性ホルモンが原因ではないかという指摘もあります。
40代から女性の物忘れはひどくなっていく!?
加齢とともに筋肉が衰えていくように脳の機能も衰えていきます。記憶を蓄積させておく海馬であったり、脳の情報伝達を行うシナプスに障害が生まれ、 再生がうまくいかなくなってくるわけです。
こうした脳の老化は加齢とともにすすむものであり、特に短期記憶が怪しくなってきます。顔はわかるのに名前を思い出せないなんかは典型的な物忘れの症状といえます。
物忘れは男女ともに老化による記憶力の低下といえるわけですが、悲しいかな、女性の場合、エストロゲンの減少により急激に悪化することがあります。
エストロゲンが減ると、物忘れが激しくなったり、上手く計算が出来なくなったりする理由ですが、 エストロゲン不足により脳内の血流が悪くなることが疑われています。
理化学研究所によると、「女性ホルモンであるエストロゲンが、脳血管を拡張し脳循環を回復することで、記憶を改善する機能を発揮する」
のだそうです。
記憶・学習に関連する神経伝達物質であり、血管拡張作用もあるアセチルコリンをエストロゲンが保護して減少を防いでいることを考えると、エストロゲンの減少が物忘れにつながるというのはこのあたりに原因がありそうです。
血流が関係しているとなると、物忘れが気になりだしたら血流をよくすること、たとえば運動だとか血液サラサラ効果のある食材(青魚、黒酢、タマネギ)あたりを意識して摂取したほうがいいのかもしれません。
なお、一時的にモノや人の名前を思い出せなくてもふとしたきっかけで思い出せるというのであればそんなに気にする必要はないです。年相応といえます。
問題になるのは、朝食に食べたものを忘れるのではなく、食べたという記憶そのものが抜け落ちてしまっている場合。こうなると、認知症の疑いありということになります。
アルツハイマー型認知症とエストロゲンの関係
認知症には4つのタイプがあるわけですが、最も多いのがアルツハイマー型認知症になります。男女比でいうと2:3で女性のほうが多いというデータがあるので、 女性は男性の1.5倍アルツハイマー型認知症を発症しやすいわけです。
で、問題はなぜ女性のほうがボケやすいのかということですが、脳の神経物質を保護していたエストロゲンが急減することで、 アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβが急増するからという説が今のところ有力です。
もちろん女性ホルモンが減少したら必ずアルツハイマー病になるわけではありません。エストロゲン以外にもアミロイドβから脳を守る力が人体には備わっているからです。
アミロイドβを分解する力をフル動員させることができればいいんですが、それには生活習慣が鍵を握ります。
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認知症になりやすいタイプ~あなたは大丈夫?
家に閉じこもりがち
曜日や日時を意識せず生活にメリハリがない
会話が少ない
運動は嫌い
甘いものが好き
糖尿病、脂質異常症、高血圧である
遺伝的な要因もありますが、生活習慣や心の持ちようもアルツハイマー型認知症の発症には大きく影響するということをぜひ覚えておいてください。
脳の老化というものを考えて、積極的に外に出かけて人とコミュニケーションを取り、没頭できる趣味があり、刺激のある毎日を過ごしている人は脳の老化スピードを遅らせることができます。